窓を開ければ、潮の香りが恋しくなる季節に

6月になって、少しずつ蒸し暑くなってきましたね。雨が降ったあとの、しっとりとした土の匂いや、どこかジメッとした風。そんな季節になると、私はふと、実家のリビングで静かにお酒を飲んでいる父の背中を思い出します。
皆さんは、今年のお父さんへのプレゼント、もう決めましたか。毎年この時期になると「今年は何にしようかな」と頭を抱えてしまう。その悩みこそが、何よりの親孝行だと私は思います。特にお父さんが「魚の味には厳しい」というタイプなら、適当なものは選べないし、ちょっとしたプレッシャーもありますよね。
でも、魚に詳しいということは、それだけ人生の中で「おいしいもの」をたくさん食べてきたという証拠でもあります。釣りが趣味だったり、若い頃から本物の味を知っていたり。そんなお父さんに「お、これは分かってるな」と言ってもらうためには、ただ高いものを贈るだけでは足りません。
そこには、選ぶ人の「確かな目」と、贈られたあとの「お父さんの時間」を想像する優しさが必要です。いつもはお酒を贈っているけれど、今年は少し趣向を変えて、あっと驚かせたい。でも、自分は魚のプロじゃないから、何が良いのか選ぶ自信がない。そんなふうに、大切な人の顔を思い浮かべながら、特別な一品を探している。その真っ直ぐな気持ちに寄り添えるよう、今日はお話しさせてください。
贈り物に込めるのは、明日を楽にするという優しさ
実は私、かつては魚市場で「競り人(せりにん)」として働いていました。まだ夜も明けないうちから、凍えるような寒さの中で、どの魚が一番良いかを見極める毎日。そこで学んだのは、魚の良さは見た目だけでは決まらないということです。同じ名前の魚でも、育った海や、獲れた時期、そしてその後の扱いで、味はまったく別物になります。
市場の空気は、厳しくて嘘がありません。そこで鍛えた「本物を見分ける力」を、今度は誰かの幸せな食卓のために役立てたい。そう思って、次にお弁当作りの世界に飛び込みました。そこで作ったお弁当は、全部で200万食。膨大な数のお弁当を作る中で、私がずっと考え続けてきたことがあります。
それは「冷めてもおいしい魚」をどう作るか、ということです。焼きたての熱々がおいしいのは、当たり前ですよね。でも、お弁当や食卓では、少し時間が経ってから食べることも多い。時間が経っても身がしっとりと柔らかく、魚の旨みがギュッと詰まったままにするには、どうすればいいのか。
何度も失敗して、ようやく辿り着いた答え。それが、神楽饗(かぐらきょう)の「低温熟成」と「特選麹(とくせんこうじ)」を組み合わせる方法でした。これは単なる料理のやり方ではありません。魚が持っている本来の力を、じっくり時間をかけて「旨み」に変えていく、魔法のような工程なのです。
ここで、一つ考えてみてほしいことがあります。あなたが贈り物をしたあと、それを受け取ったおうちでは何が起きるでしょうか。
もし、調理にすごく手間がかかったり、キッチンが煙だらけになったり、後片付けが大変だったりしたら。せっかくの贈り物も、お母さんの仕事を増やしてしまうことになります。お父さんが自分で料理をする場合でも、準備が面倒だと、せっかくの魚が冷凍庫の奥に忘れられてしまうかもしれません。
私たちが目指したのは、届いた瞬間に「今日はこれがあるから、ご飯作りが楽になる。しかも最高においしい」と思ってもらえる体験です。一切れずつ丁寧にパックされていて、焼くだけ。それだけで、一流の料理屋さんの味が食卓に並ぶ。その「心のゆとり」こそが、お父さんやお母さんにとって、何よりのプレゼントになるはずです。
喉が鳴る。麹が引き出すキングサーモンの深み
神楽饗の自慢は「熟成キングサーモン麹漬け」です。この魚を焼くシーンを、ちょっと想像してみてください。
フライパンにクッキングシートを敷いて、弱火でじっくり焼いていきます。しばらくすると、麹(こうじ)のふわっと甘い香りが部屋中に広がります。それは、お味噌ともお醤油とも違う、どこか懐かしくて、お腹がグーッと鳴ってしまうような、とても良い香りです。
皮に少し焦げ目がついて、そこから脂がじゅわじゅわと音を立てて溢れ出してきたら、食べごろのサインです。お箸をそっと入れると、身が抵抗なくホロリと崩れます。
冷蔵庫の中で2日間、じっくりと。そうやって休ませた魚の身は、水分をしっかり抱え込んでいます。お箸を入れると、しっとり、そして吸い付くような柔らかさです。
一口食べれば、まず麹の優しい甘みが鼻に抜けます。その後に、キングサーモンの濃い旨みが追いかけてきます。熟成させた脂は、決してしつこくありません。むしろ、お砂糖を使っていないのに「甘い」と感じるほど。
これには、お父さんが楽しみにしている冷えた日本酒や、少し濃いめの焼酎が本当によく合います。魚の生臭さは全くありません。あるのは、熟成によって引き出された、魚本来の深い味わいだけ。これこそが、たくさんの魚を食べてきた「魚好き」を驚かせる理由です。
魚焼きを、もっと自由に、もっと軽やかに

魚好きのお父さんに喜んでもらうのはもちろんですが、その隣で、お母さんにもニコニコしていてほしい。そこで、私から一つアドバイスがあります。
魚を焼くとき、グリルの網を洗うのは本当に面倒ですよね。脂が乗ったサーモンは、網にくっついて身がボロボロになってしまうこともあります。そんな時は、フライパンに「魚焼き用シート」を敷いて焼いてみてください。
これだけで、身が崩れなくなるし、汚れもつきません。焼き終わったらシートを丸めて捨てるだけ。洗い物の手間がなくなるだけで、魚を食べるのがもっと身近に、もっと楽しくなります。こんな「ちょっとしたコツ」をメモに書いて一緒に贈るのも、あなたの優しさとして喜ばれるのではないでしょうか。
また、私たちは魚の「骨抜き」にもこだわっています。一本ずつ、職人の手で抜いていきます。これは、お父さんやお母さんが骨を喉に詰まらせる心配なく、最後まで安心して食べてもらうための、私たちの大切なルールです。
化学調味料や保存料は使いません。白砂糖も使いません。麹の力だけで甘さを出す。その「安心」も、大切な家族に贈るべきものだと信じています。
最後に選ぶ、感謝の形
お父さんのことを想って選ぶギフト。どれを選んでも間違いはありません。でも、お父さんの毎日の食事に合わせて、いくつかおすすめを紹介します。
お酒が好きで、ちびちびと色々な味を楽しみたいお父さんには、60gという少し小さめのサイズがぴったりです。上品な量なので、最後までおいしく、飽きずに楽しめます。
逆に、食べるのが大好きで、白いご飯と一緒にガツガツ食べたいお父さんには、110gという大きな切り身が喜ばれます。箱を開けたときの「お、大きいな」という驚きは、お父さんを元気にさせてくれるはずです。
- 上品なサイズで晩酌(ばんしゃく)に。一切れで幸せになる
熟成焼きサーモン麹漬け60g(5枚セット) - 魚に厳しい父も納得。市場直送のボリューム感
熟成キングサーモン麹漬け110g(6枚セット) - まずはこれから。神楽饗の味を知ってほしい
熟成キングサーモン麹漬け60g(6枚セット) - 一番のおすすめ。自信作を詰め込んだ特別なセット
神楽セット(6枚セット)化粧箱入り
今年の父の日は、ただ「物」を贈る日ではなく、お父さんがゆっくり椅子に座って、おいしい魚を食べながら「ああ、いい日だな」と思える「時間」を贈る日にしてみませんか。忙しい毎日を送るあなただからこそ、自分も納得できて、贈った相手の毎日が少しだけ明るくなる、そんな選択をしてほしいと思っています。
お父さんが、私たちの魚を一口食べたときに浮かべる笑顔。それを想像しながら、今日も一つひとつ、丁寧に麹を揉み込み、魚を寝かせています。
皆さんの大切なお父さんの健康と、幸せな食卓を願って。

東海1位・累計200万食のお弁当づくりでみがいた「プロの味」を、もっと遠くの方や毎日の食卓へ。そんな思いから、こだわりの漬け魚を全国におとどけしています。本物のおいしさを、もっと身近に楽しんでもらえたらうれしいです。

当店自慢のキングサーモン
ふっくらもちもちの本鰆
香ばしさ一番、銀鰈
美しい白い身、銀鱈
肉厚で食べ応え抜群、近海鰤
柔らかい食感、かじき鮪